退職金の税金

2021年05月27日

1 退職金にかかる税金  

 退職金は、勤務先に所定の手続をしておけば、源泉徴収で課税関係が終了します  ので、原則として確定申告をする必要はありません。 

 退職金は、通常、その支払を受けるときに所得税及び復興特別所得税や住民税が源泉徴収又は特別徴収されます。
 この退職金は、長年の勤労に対する報償的給与として一時に支払われるものであることなどから、退職所得控除を設けたり、他の所得と分離して課税されるなど、税負担が軽くなるよう配慮されています。
 なお、退職所得についても源泉徴収票が交付されます。


2 確定申告すれば税金の還付を受けられる場合  

 退職金には「退職所得控除」というものがあり、税金を源泉徴収されていない場合が場合が多いのですが、退職所得について源泉徴収されており、退職所得以外の所得の金額が所得控除の合計よりも少ない場合には引ききれない所得控除の額を退職所得から差し引くことで税金の還付を受けられる場合があります。  

 その場合には、確定申告の手続きが必要になります。

3 退職所得の計算 

 退職金にかかる税金は「退職所得」を基に計算します。 

 退職所得は次の算式により計算します。 

(退職金の額-退職所得控除)×1/2=退職所得  

 ただし、役員等勤続年数が5年以下である人が支払を受ける退職金のうち、その役員等勤続年数に対応する退職金として支払を受けるものについては、2分の1をする前の金額が退職所得になります。  

 退職所得控除は次の算式により計算します。 

 勤続年数20年以下の場合  40万円×勤続年数 
 勤続年数20年超の場合   800万円+70万円×(勤続年数ー20年) 

 ・勤続年数に1年未満の端数があるときは、たとえ1日でも1年として計算します。
 ・計算した金額が80万円未満の場合は、退職所得控除額は80万円になります。
 ・障害者となったことに直接基因して退職した場合は、上の算式により計算した金 

 額に、100万円を加算した金額が退職所得控除額です。

  この算式を表にしたのが下の図です。

  ・退職所得控除額一覧表(単位:円)

 たとえば勤続25年で退職金が1000万円の場合には、退職所得控除が1150万円なので、退職所得に税金はかからないことになります。