生命保険の満期時の税金
満期返戻金や解約返戻金がある生命保険の満期や解約によって受け取った一時金については、確定申告をして納税しなければならない場合があります。
1 どんな税金がかかるか
生命保険契約の満期や解約により保険金を受け取った場合には、保険料の負担者、保険金受取人が誰であるかにより、所得税、贈与税のどちらかの課税の対象になります。
保険料の負担者がAさん、受取人がAさんの場合 ⇒ Aさんの所得税の課税対象
保険料の負担者がAさん、受取人がBさんの場合 ⇒ Bさんの贈与税の課税対象
ただし、一時払養老保険等で保険期間等が5年以下のものや保険期間が5年を超えるもので5年以内に解約されたものは、源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終了しますので、確定申告をすることができません。
2 一時金として受け取った場合の課税対象
保険料負担者と受取人が同じ場合には、一時金として受け取ると、「一時所得」として所得税の課税対象になります。
一時所得は収入金額から経費を引いた金額から50万円の特別控除を引いた金額を2分の1した額になります。
課税対象となる所得金額は次の算式で計算します。
(受け取った一時金-払い込んだ保険料-50万円)×1/2
400万円の保険料を払い込んで500万円受け取った場合
(500万円-400万円-50万円)×1/2=25万円
つまり、受け取った保険料より払い込んだ掛金の方が多い場合や、受取額の方が多くても払い込んだ掛金との差額が50万円以下の場合には課税されないこととなります。
3 確定申告が必要な場合
サラリーマンの場合は、給与所得以外の所得が20万円を超える場合には確定申告が必要となります。
一時所得の金額が20万円を超えるのは、受取保険料と払込保険料の差額が90万円を超える場合です。
この場合には確定申告が必要になります。
ただし、差額が90万円以下であっても、副業収入があったり、医療費控除を受ける場合などで確定申告書を提出する場合は生命保険の満期による一時所得も含めて税金の計算をする必要があります。
収入がない方の場合は、一時所得の金額が48万円以下であれば確定申告の必要がありません。
確定申告が必要な場合に該当しているのを気づかずにいるとペナルティが課せられる場合がありますので、よく確認して受け取った年の翌年3月15日までに確定申告をすることをお忘れなく。
ちなみに、満期返戻金を据え置いて受け取らない場合でも、満期になった時点で課税の対象になるので注意が必要です。
贈与税の対象になる場合や年金形式で受け取る場合については別の記事で書きます。