減価償却費とは

2021年06月01日

 事業に使用する建物、機械、器具備品、車両などの資産は、時がたつにつれてその価値が下がっていきます。

 このような資産を減価償却資産といいます。

 資産の中でも土地や骨とう品などのように時の経過につれて価値が下がるのではないものは減価償却資産とはなりません。

 減価償却資産の取得するためにかかった費用は、取得した時に全額必要経費になるのではなく、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費としていくことになっています。

 使用可能期間が何年かということについては法定耐用年数が財務省令の別表に定められています。

 減価償却とは、減価償却資産の取得に要した金額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。


1 取得価額が10万円未満のものは全額必要経費

 減価償却資産であっても、取得価額が10万円未満のものは全額ぞの年の必要経費とすることとなっていますので、減価償却資産として扱う必要はありません。

 その他、次のような取り扱いがあります。

・使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に  要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

・取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、取得価額の合計額の3分の1に相当する金額を3年間にわけて必要経費に算入することができます。

・青色申告をしている人が令和4年3月31日までに取得した取得価額10万円以上30万円未満の減価償却資産については、一定の要件の下でその取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの取得価額の合計額をその業務の用に供した年分の必要経費に算入できるという特例があります。

・取得価額の判定に際し、消費税の額を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。すなわち、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。


2 減価償却の計算

 減価償却の方法については、定額法と定率法があり、個人の場合は原則定額法となっていて、届出をすれば定率法を選択することもできます(建物等を除く)。

 定額法は、毎年一定額を減価償却する方法で、定率法は一定の率で減価償却する方法です。

 定額法の場合、100万円の減価償却資産を購入し、その耐用年数が10年である場合には、毎年10万円を減価償却費として必要経費とすることになります。

 ただし、平成19年3月以前に取得した減価償却資産については取り扱いが異なります。