こわいのは相手の方

2021年06月12日

 私はかつて税務署で個人事業主の税務調査を担当していました。

 ただでさえ人が怖い私は、相手がどんな人なのかもわからないところに行くのはかなり恐怖でした。

 ある時、調査先の経営者の方が税務調査に来るというので怖くて何日も眠れなかったという話をしていました。

 それまでの私は、調査に行く方はものすごく怖いけど、調査を受ける方も怖いのだということは想像していませんでした。

 考えてみれば当たり前の話ですが、調査官はいくら怖いと言っても仕事だし毎度のことですが、経営者の方は何をされるかわからなくて追徴課税の恐怖もあるわけで、怖さは比較にならないぐらいあるはずなんです。

 

 私は相手の気持ちは全く考えていなくて、知ろうともしていませんでした。

 相手の気持ちを考えていれば、もっとスムーズに調査を進めることができたでしょうし、最初に経営者の方の気持ちを少しで理解してあげれば相手の恐怖や警戒心を和らげることもできたでしょう。


 今はしっかり相手の話を聞いて、気持ちに共感し、信頼関係を築くことを一番に考えているので、税理士としてお客様のために頑張ることができます。